「終わったね」



マネージャーの声が空に響く。


「ああ」


下を向いて答える俺。


「放課後の校庭を走り回る君の青春は終わったね」




うなずく俺。
そんな俺をマネージャーはじっと見つめる。


「そんな君を見つめるだけの私の青春を…」


少し赤い顔のマネージャー。



「そんな私の青春を今終わらせる」



くるりと背を向ける彼女。


背後に照りつける太陽。


そよぐ風。



グラウンドの砂を巻き上げながら
風は強くなっていく。


そして彼女は最後の言葉を俺に告げる。


「……」


マネージャーが最後に言った言葉。



その言葉は確かに俺の胸に届いた。
静かにうなずく俺。


「何二人でじゃれてんだよ!行くぞ!」



チームメイトの声に我に帰る二人。



一瞬顔を見合わせた後
二人は並んで走りだした。



後に残されたのは
底抜けの青空と最後の






「好きです」と言う言葉。






二人の青春は今終わった。
そして今始まるふたりの恋。