「………鈴音(リオ)と申します」


「『鈴音』か…。
いい名前だな」


俺は立ち上がって、金の入った袋を皿のわきへ置いた。


「金はここに置く。
また そのうちここへ来るだろう。

…失礼するぞ」


俺は、そう言って部屋を出た。


彼女はきっと、首を傾げていた。








俺はこの日から、花月楼へ足を運ぶようになった。