彼女は捨て子で、親はいない。

俺は名家の子だが、親に可愛がって貰った記憶はない。


だから つまり…


お互いに親の愛情を知らずして生きているのだと、俺は勝手に解釈した。


「どうでしょうか」


だが 彼女の返答は、俺の想像とは違っていた。


「私に両親は居ません。
ココの主人に拾われたと聞いています。


けれど…


寂しいだなんて感じたコトはありません。

多少不服なコトもありますが、私はココに置いてもらえて幸せだと、そう思っています」



透き通った眼差し。


俺は、軽く考えていたようだ。