―――カタン。


何かに当たった気がしたが…
きっと 何でもない



「鈴音、着いたぞ…」

散々通った鈴音の部屋
そこに鈴音を横にする
冷たくなった鈴音を


「よく、寝てるな…」

もう 目覚めないと
知っている
それでも…
どこかで信じられない俺がいる


「なぁ…、鈴音。
俺、まだお前に教えたい事があったんだ。

本当なら、お前が初めて俺に嘘ついた日に、教えてやるはずだった…。


人間って、凄いんだぞ。
例え死んだとしても、また別の何かになって生まれ変わるんだ。

それを幾度も幾度も、繰り返すそうだ。

な、凄いだろう?」


倒れた行灯から
燃え上がる熱が
着々と広がってゆく…