「鈴音?」
今、鈴音の声がしたような…
小さく 消えてしまいそうなか細い声。
「鈴音、どこだ!?」
不意に、辺りを見回す。
「鈴音?」
森の入り口に、影が倒れている。
まさか…
「鈴音!?」
俺はその影に、駆け寄った。
影は正真正銘、鈴音だった。
俺は急いで鈴音を抱き起こした。
鈴音は、窶れていた。
着物には泥がつき、手には赤黒い何かがついていた。
「どうしたんだ!?何があった!!」
「健太郎…」
苦しそうな声
弱々しい綺麗な目
医者を…
医者を呼ばなければ…
鈴音が 鈴音が…
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