「家も名前も捨てた分際で、親父などと呼ぶな!腹立たしい!

ワシは、愛息子の健太郎に“幸福”を与えてやってるまでだ」


は? これが…?
健太郎にとって“幸福”だと?


「おかしいだろ…

おかしいだろ!
クソジジイィ!!」


「ほほう。
何がおかしいのだ?
言ってみろ!!」


「あなたは間違っている。これが… こんな事が健太郎にとって幸福な筈がないだろ!
何故 息子の話をしっかり聞いてやらないんだ!」


初めて聞く、優一の怒鳴り声。


「お前らに何が分かる!
親不孝者共めが!!
精々 此処に来た事を後悔するがいいわ!!」


そう吐き捨てて、あのクソ親父は数人を連れて立ち去った。