「まぁ兎に角、きっちり送り出してやろうぜ」
「そうさね」
花月楼が見えて来た。
「ヒトが居るね」
門の辺りに、何人かが固まってる。
「もしかして ありゃ…
健太郎の親父か?」
間違いない、あの真ん中に居るのは、健太郎の親父だ。
「嫌な予感が当たりそうだね」
なんとなく、空気で感じる。
あの親父を囲んでるのは、チンピラか山賊だ。
「龍馬こっちだ」
「おっと…」
ボケッとしそうになった俺の着物の袖を、優一が引っ張って路地へ入った。
路地を走るオレら。
「なんか作戦あんのか?」
「いや。
とりあえず、先回りしよう」