『なぁ、優一よ』
『なんだい?』
『そろそろだな。様子見に行ってやらねぇか?』
『そうだね…。
最後の別れだからね』
日は沈み、だんだん暗くなって来た。
今夜は、健太郎と鈴音が旅立つ日だ。
ったく…、唐突すぎだろ。
なんなんだ、この展開は。
おかげで変な胸騒ぎがする始末だ。
後少しで花月楼に着く。
ふと優一を見ると、優一が険しい顔してやがる。
「なんだ?
どうかしたんか?」
「いや…」
軽く否定した割には、浮かねぇ顔だな。
「なんか…
嫌な予感がするんだけれど、気にしない事にするよ」
「…そうだな」
やっぱりか…