昴様は、何て言うんだろう…。


ココを出たら、鈴音の幸せになれる。

けれど…

それは危険過ぎるし、鈴音は裏切り者になっちゃう。


だけど私は、もし鈴音がココを出たとしても、絶対に裏切り者とは思わない。

だって…

鈴音は、幸せになりたいだけなんだ。
鈴音にだって、幸せになる権利がある筈だもん。


お願い 昴様…






「行ってらっしゃい、鈴音」


「昴様…」


「身体に気をつけるのよ」

「はい!」


昴様の顔はお母さんみたいに優しくて、元気な返事をした鈴音は、子供みたいだった。


その光景を見た途端、私は涙が出て… 鈴音に抱きついた。