『有月、日にちが決まったよ。明後日になったら、豊倉様が迎えに来てくれるそうだ』


『はい、分かりました。ありがとうございます。色々とお世話になりました』



そんな会話して、ご主人の部屋を出てきた。


まだ…

鈴音には、身請けの話なんてしてない。


そろそろ言わなきゃ、ね…。

どうやって言おうかな。


一度ココを出たら、もう戻って来るコトは出来ない。

永遠のお別れ。


寂しいなぁ…





――「有月」




考え事しながら渡り廊下を歩いてて、ふと顔を上げたら…



「…鈴音」


そこには、鈴音が居た。


立ち止まった私に、鈴音が近づいて来た。