「仲村の旦那様」

「何だ?」


「どうやら、健太郎様がまた花月楼へ向かわれたようです」


「誠か!

あの小娘め…。
あんなに釘を差したにも関わらず、まだ健太郎を誑かそうとするのか。
薄汚い」


「・・・・・。」


「よし。
口で言ったところで聞かぬなら、あの店を討ち払え」


「…正気ですか?」


「当然だ。
あの店さえ、無くなれば元も子もない。


先手必勝だ。
明日の晩、襲撃するぞ。輩を集めておけ」


「ですが…」
「金なら、いくらでも払う」


「かしこまりました」