「それなら君は、どうしたいんだい?」


どうしたい。
俺は…


「鈴音を、手離したくない…」



鈴音と二人で、知り合いなど誰も居ない土地へ行き、二人で暮らしたい。


そんなちっぽけな夢を、ずっと企んでいた。


今になって、その夢が成長しだして…


ずっと一緒に居たいと、強く望むようになった。


だから、あの夜。
鈴音と心が一致した事が、たまらなく嬉しかった。




「恐らく、鈴音はお前の為を思って、お前を突き離したんだぞ」


「君は、“身分の違い”なんて言うモノを越えて、鈴音を連れ出せるのかい?」