分からない、何にも。
「・・・・・・。」
何も言えずに立ち竦む俺。
「もうこの際、キレイサッパリ忘れちまえよ」
キレイサッパリ、忘れる…?
鈴音を、か?
「…嫌だ……」
「・・・・・。」
俺の小さな震えた声に、龍馬と優一は何も言わなかった。
「何が、嫌なんだい?」
何かを試すような優一の声、龍馬は遠い目で外を見つめていた。
何が、嫌なんだ…?
「終わらせたくなかった…」
勝手に出て来た言葉。
鈴音と離れてから、知らないフリをして来た俺の本音。
「どうして、終わらせたくなかったんだい?」
優一の優しくも厳しい問いが、戸惑う俺の中に響く。