「有月は何も出来なくないわ。

今、あなたが鈴音の代わりに泣いている。
あなたが代わりに泣いてくれるから、鈴音は泣かないのよ?」


昴様は、優しくそう言ってくれた。


「鈴音は有月の幸せを、妬んだり僻んだりなんてしないわ。

優しい子だもの。きっと自分のコトのように喜んでくれるはずよ。
有月も、よく分かっているでしょう?


有月が今度、身請けされるように、鈴音も近々片海先生の所へ身請けされる予定なの」


「鈴音が…身請け?」


「ええ、鈴音の病が治るかもしれないの。

だから鈴音は、違う形で幸せに成れるから…
大丈夫よ」


そう言いながら、昴様だって嬉しそうなのに寂しそうで悲しそうな顔してる…。