――鈴音は、あなたに もう会わないと思います。
…は?
「どういう意味だ?」
「そのままの意味です」
俺に会わない…?
確かに今、有月はそう言った。
「おい、それは…
どういう風の吹き回しだ!?」
俺は勢いよく、有月の肩を掴んだ。
有月は一瞬、ビクッとなった。
「そ…そういう事でしかないんです…」
有月は今にも泣きそうな顔で、声を震わせていた。
「どうしたんだ!?
一体、鈴音に何があったんだ…」
何で…
何で一昨日、気持ちを確かめ合った筈なのに…
何故、こんな事になるんだ…
冗談にしては、質が悪過ぎる。
有月の着物を掴む俺の手が震える。