「…龍馬?」
「んあ?
あー、そうだ…。
オレ 今日は花月楼行かねぇから、和葉に会ったらよろしく言っといてくれな!」
そう言って、龍馬は俺を追い抜いて歩いて行った。
「あ…ああ、分かった」
いつもの事ながら、考えの読めない龍馬のおかしな様子に戸惑いながら、返事を返した。
「お前の親父には、気をつけろよ」
じゃぁな。と、後ろ向きに手を振って龍馬は、ふらふらと消えて行った。
俺はその様子をしっかり見ていた。
俺の親父…?
俺は、龍馬の言った言葉を気にも止めず、花月楼へ歩みを進めた。
『輪廻転生』
そう書かれた一冊の本を眺める。