有月は、目を輝かせてそう言ってくれた。


「クスッ。

有月も、豊倉様と見に行ける日が来るといいね」


「うん!」


有月は、顔を真っ赤にして大きく頷いた。


「あ…
早いね、もうお客さん来たよ」



そう言われて玄関の向こうを見ると、誰かが歩いて来るのが見えた。


段々とこっちへ来る。



「「いらっしゃいませ」」


有月と声を合わせて、お辞儀をする。




険しい顔のヒト。

だけど…、どことなく健太郎に似ている感じがする。




恐い…。そんな雰囲気のヒト。




「この店に、『鈴音』と言う娘は居るか?」



‥私…?