「では、今日も頑張りましょう」

「はい」

私の髪を結んでくれたお姉様は、静かに部屋を出て行った。








『お前を迎えに来る。約束だ』


もう昨日の夜のコトなのに、まだ 温かみが残っていて…

小指は、ちゃんと約束の感覚を覚えてる。



あの時、泣くはずじゃなかったのに、勝手に涙が流れてきて…

健太郎は、何て思ったんだろう。



嬉しかった。凄く嬉しかった。

ずっと一緒に居たいって、そう強く思った。



私の頭の中には、健太郎がたくさん居てくれて…

幸せな形しか映らない。




それなのに…



――「ッ、ゲホッゲホッッ…」