「おめでとう。鈴音を大切にするんだよ」
優一は、そう言ってくれた。
だが、龍馬は……
「頑張れよ」
としか言わなかった。
何故か、素っ気なかった気がしたんだ。
―――カァカァカァッ
カラスか…。
日が沈んだ。
昨日とは違って、赤黒い夕やけ。
そこに、カラスの鳴き声がする。
なんとも 不気味だ。
不吉な予感がしなくもない…。
鈴音に会いにゆきたいが…、何故か気が進まない。
………今日は、大人しくしておくか。
昨夜 散々抱きしめ合って、口付けまでしてしまった訳だからな…。
うん、情けないのかもしれないが、今日は止めておこう。