「お忙しい中、大変だとは思いますが…
一つ、お話があって参りました」
俺の改まった話に、主人は不思議そうな顔をした。
「失礼します」
お茶をかかえた昴が入って来た。
「どうしたんだい?改まって」
お茶を出している昴を気にも止めず、話を進める。
「頼みがあるんです」
「頼み?」
俺は、大きく息を吸った。
「鈴音を俺に預けさせて下さい」
深く頭を下げた。
ちらりとだが、昴の手が止まるのが見えた。
「・・・・・。」
主人は黙って、俺を見つめていた。
「鈴音の病は、不治とされています。
俺はどうしても、この不治の病についての研究をしたいんです。