もしかして…


「…心配、掛けてしまなかったな、色々と」


兄さんが出て行ったあの日から、本当に一人になったのだと思っていた…

だが、違ったんだな。


「そんな事言うなんて、健太郎らしくないね。
仲間なんだから、当然なんだよ」


優一はクスッと笑った。

仲間…。

俺は、俺が思っていた以上に独りなんかじゃなかったんだな…。


「ありがとう…な」


「それは、龍馬にも後で言ってあげなよ」


不意に、そう言った優一の手元を見ると、いくつかの医学書があった。


「今夜も勉強か?」

「あぁ、そうさね。
意外に面白いよ。健太郎もどう?」

「いや、俺には向いてない。遠慮しとく」

「そう? 残念だな…」