紅い紅い不治の病。

未だ、特効薬も治療法も見つかっていない。

誰かが行動を起こさない限り、この病は深刻なままになるだろう。


俺はこの病について研究をしようと思う。


その為に、あの少女を引き取ろう。

そう考え、先程 花月楼へ行ってきた。
だが、残念な事に店の主人は留守だった。

また 後日、改めて訪れよう。




…少し、落ち着くか。


俺は部屋の窓の前に座り込み、手に持っていた書類を無造作にすぐ横へ置いた。


随分と明るい夜だな。
俺の影がよく見える。
明日もきっと晴れるんだろうな。


そういえば…
あの日の夜は曇っていたな。
そのおかげかもしれないな、上手く出られたのは。