「鈴音も最近、笑うようになったんだって?」
「あぁ、昴が言ってたな、『仲村様のお陰です』ってよ」
「へぇ~。じゃぁ龍馬お手柄じゃない」
「まぁな」
龍馬の行動力は、つくづく凄いモノなんだな…。改めて実感したよ。
「アイツ きっと、知らないまま鈴音に恋愛感情抱いてんな。
アイツ、ウブだからなかなか気づかないぜ、きっと」
龍馬は嬉しそうに笑った、まるで 子供の成長を喜ぶ父親みたいに。
恋愛感情…。
それは しばらく前に、おれが百合香に対して抱いていたモノ。
今は もうそれが胸の奥で、永遠になった。
淡い淡い幻想(ゆめ)の中で…。