「何だい?」

「人間ってよ…。

たくさん影響受けて、生きてんだな」

「影響ね…。
どうしたんだい?いきなり。らしくないね」

おれは敢えて茶化してみた、けど…返ってきたのは真剣な言葉だった。



「何となくだけどな。
和葉が最近、言ってたの思い出してよ…。

お前も色々あったにせよ、今に至るまでに必ず何かキッカケがあったワケだろ?」

キッカケ、ねぇ…。

「オレは、アイツにキッカケを見つけて欲しくてよ…。

あの日、アイツを鈴音に合わせてみたんだ」


「どうして、鈴音なんだい?」