「中で待たれますか?
あまり遅くはならないと、仰ってましたので…」
「ん~。
いや、いないのならまた来よう」
鈴音の診察に来たワケではないみたいね。
ご主人にだけのご用なのかしら…?
「それなら、何か言伝をお預かりしましょうか?」
「いや、大丈夫だ。
大した急ぎの用ではないからな」
何かが気になる。
どことなく
誰かに似ているような…
「そういえば、鈴音の様子はどうだ?」
「お陰様で、安定しています」
鈴音は幼少の頃から病弱で、今 胸に紅い病を患ってる。
その診察を担当して下さってるのも、この方 片海先生。