「だろ。
ほら、これなら簡単に教えられる」
「凄い…凄いね!」
私も、健太郎の真似をしてみる。
私が指でなぞった跡も、キラキラと光ってた。
「その様子なら、すぐ覚えられそうだな」
健太郎はそう言って、私にひらがなを教えてくれた。
一文字 一文字
丁寧に
この一文字を
繋ぎ合わせると
言葉になって…
その言葉は
ヒトの気持ちを示すようになる。
たくさん たくさん
教えてくれた。
たとえ私には必要のないモノでも、大切にしたい。
だって 健太郎が私に教えてくれた『外の世界』だから…
こんなにも楽しい時間なら、永遠に続いてゆけばいいのに…。