「ごめんなさい。
鈴音は、文字 読めないから…」


だって 文字なんて、ココで生きる私には必要ないモノだから…

ただ話すコトさえ出来れば、それでいい。
後は 身体を売るだけの世界だもの…。



俯いた私の頭に温かいモノが触れた。


「謝るコトはない。
読めないのなら、読めるようになればいい。

俺が教えてやる」


誰だって、最初から読める奴なんていない。
と、健太郎は私の頭を優しく撫でた。


「…本当に?
本当に鈴音に教えてくれるの!?」

「ああ、教えてやる」

「ありがとう」


嬉しい…。


「じゃあ、早速始めてみるか」