「昴お姉様…」

「どうしたの?鈴音」


「その二つを、私に譲って下さい」

鈴音…?

「ええ、構わないわ。
けど…、どうするつもりなの?」


どうするの…?


「埋めたいと思います」

「埋めるの?」

「うん、以前に百合香お姉様がご自分のお母様の体調が良くなるようにと、月に願っていた場所に、ね」


百合香様のお母様が百合香様に持たせた手作りの御守りと、誰かお客さんからの扇子を鈴音が受け取った。


「百合香お姉様は、確かにココで“生きていた”から…」


鈴音はゆっくり立ち上がった。

私もついて行く。