「なぁ、おい」
「!?」


ボーっと考え込んでたから、逆に声を掛けられてビックリした。


「あ…すいませんでした。

いらっしゃいませ、えっと…」

「仲村だ」

そうそう、仲村様。

「今日は鈴音が居ないんだな」

「はい、体調を崩していますので…」

「そうか…、それは残念だな。


……?……」


仲村様は、私の後ろの方を不思議そうな顔をして見回していた。


「どうかしましたか?」

「いや…。
忙しそうだな。また後で来る。鈴音に伝えておいてくれ」


仲村様は、そう言い残して去って行った。