「優子は、好きなひといる〜?」

「え?いないよ〜」

「可愛いくせにさ〜このー!」


わたしは優子の肩を叩いた。

「痛いし。まあ、ちょっと気になる人は…」


優子はちょっと
顔が赤くなった。



次の言葉を考えてるうちに怒鳴り声が聞こえてきた。


「おらー!遅刻すんなよ〜もう鐘鳴るぞ〜!」


生徒指導の山田の怒鳴り声はいつもうるさい。


「ヤバい、茉美りん、走ろう!」

「あ…うん」



優子に手を引っ張られた。