わたしは少し
下駄箱に急ぐために
小走りした。


「ちょっと!な、なにいきなり…誰かいたの?」


優子はすごく驚いていた。

「いや…ちょっとね…」

こちらを見ているのは
あの颯大が言ってた
佐々木 直人だ。


「嫌だなぁ〜」

「だからなにが〜?教えてよ!!」


「ごめん。なんでもないよ…」




なんでもないわけではない。



でも颯大と付き合っているいま、あたしがあの佐々木直人に近づいても仕方ないのか…