「…包帯つけようよ」
「触るな。ウゼェ」
あたしが元いた場所から丁度死角になっていた場所。
その場所から白金との会話が聞こえる。
ーードクンッドクンッ
どうしよう。怖い。
でもー……。
勇気を出してあたしは下駄箱の影からゆっくりと顔を出した。
「ダメだよ!!」
「ーー………!!」
顔を出した瞬間、玄関に響いた大きな声にビックリして一瞬身体が跳ね上がる。
………………え?
今聞こえた大きな声より驚いたのは…目の前の光景。
「な……んで……」
座り込む白金の頭に雅ちゃんが包帯を巻いていた。
思わずこぼれた声に気づいて白金と雅ちゃんがあたしの方に顔を向ける。