蒸し暑い体育館に来て気が付いたけれど、もうすぐ夏休み。




会わなければ、先輩の事を忘れれるかもしれない。




「あっ!シューズを教室に置いてきたかも!」




スポーツバックをガサガサとあさりながら、しまったと思う。




「まーいー!ちょっと取りに行ってくんね!!」




あたしより早くフリースローの練習をしていた舞に声をかけると、「はやくねー!」という答えが返ってきた。




{廊下は走らない}と書いてある紙の前を平然と猛ダッシュするあたし。




机の横にかかっていた、シューズが入った袋を掴むと教室を出てまたダッシュ、しようとした所で圭にぶつかった。




「キャッ」  なんて似合わない女のコらしい悲鳴まであげてしまった。




「んだよ、アンタか。わりぃ」