手を繋いで仲良く歩く先輩たちが、街の人たちに埋もれていく。




もう何度目になるだろうか。




栗原先輩と去っていく先輩を、こんなに切ない気持ちで見つめるのは。




あたしはいつも、同じ瞳で先輩を見ているんだろう。




愛する人に選ばれない人だけがもつ、切ない瞳。




あたしは、この瞳でいつも先輩を見ています。




たとえ届かない人だと知っていても。




それでも・・・。




「・・・優奈」




あたしの視線の先に気が付いたんだろう。




舞が紙袋をそっと拾う。