今日先輩と会うのは初めてだったりする。




だから、声をかけてくれたのも嬉しいけれど、先輩と会えた事も余計に嬉しい。




当たり前には会えないからこそ、会った時の喜びは大きい。




「先輩、さっきの時間水泳だったんですか?」




先輩の髪は少し濡れていて、水滴がポトポトと、白い制服に染みをつくっていく。




「そうだけど、凪風はこれからか」




そう言ってニッコリ笑う先輩。




その笑顔にまたやられてしまう。




髪が濡れた先輩はいつもと違って見えて、またドキドキする。




「あっ、じゃぁ行きますんで」