リビングに向かうと父さんが新聞を読んでいた。

「おはよう。」

「おう。はよ。」

「学校頑張れよ。」

「おう。」

机の上のパンを口に押し込んでコーヒーを飲む。

「いってきます!」

「早くない?」

父は目を丸くする。

「転校初日なんだから早く行って当然だろ?いろんな人に挨拶しねーと。」

「兄貴…いろんな人に挨拶はいいけどさ、いろんな人にガンつけるのはやめなよ。」

百助が呆れたように言う。

「んなことしねーって。お母さん!もう行く!」

「弁当!」

「あ!」

「いってらっしゃーい。」