翌日の国語は凜太郎。

現代文はなんとか大丈夫だとして、問題は古典だ。

「『いと』はとてもという意味です。」

「なるほどな。じゃあ、『いとおかし』は、すっげえ変って意味だな。」

「違います。『とても趣がある』という意味です。」

「…じゃあ、『いとかなし』はすっげえ悲しいって意味だな!」

「違います。『とても愛しい』という意味です。」

「…しね。」

「暴言吐かないでください。」

凜太郎は淡々と俺に教えてきた。

「ほんとはじっくり教えたいのですが時間がありません。定期テストの古文と漢文は現代語役を覚えたら赤点はなんとかなるので、話の流れを丸覚えしてください。」

「…はい。」