その次の日は、生徒会の書記だという3年生の男が、日本史を教えにきた。

長身の爽やか男。戸田というらしい。

「遣隋使ってわかる?小学生で習うはずなんだけど。」

「聞いたことあるような…」

「小野妹子っていってね、」

「あ!小野妹子は覚えてる!変な名前の女だよな!」

「…妹子は男だよ。」

「え、」

「…りんたろー。この子本当に大丈夫?」

「気長に教えてあげてください。」

「テストまで日ないじゃん…。」

戸田は頭を抱えた。