「啓一の好きな人って、どんな子なの?」
 
傷付くとわかっていても、聞かずにいられなかった。
 
「あぁ…バスケ部で、可愛くて…。」
 
その後も、どんどん褒め言葉を並べていく啓一…。
 
どんどん、胸が苦しくなっていく。
 
「…わ…夏川?どした?」
 
「うぅん、何でもない」
 
あたしは、首を振った。
 
「そう…?で、責任感強くて…。」
 
どんどん好きな子の話をする啓一。

あたしは目に涙が溜っていた。
 
「夏川…?泣いてんの?」
 
「…ごめん」
 
あたしは一言謝ると、走り出していた。