舞「でも茜は、私の他にも大切な人がいた。


  あの茜が大切にしているなんてどんな人なの?

  って思って、私はあんたに声をかけたの」

和泉「俺…??」

舞「そう、アンタ。

  見たかったの。
  どれだけ茜を大切にしているのか。
  茜はどんな人をそこまで思っているのか。

  もしも最低なやつだったら殴りまくろうと思ってた。

  そしたら何??
  出てきた男は絵に描いたような爽やかイケメンときた。

  茜が大切にしてる人なら大切。
  だから私、アンタのこと好きって思い込んだ」








屋上はどこまでも静かだった。
風を、はじめて優しいと感じた。










舞「でもね、私のせいで舞はたくさん傷ついた。
  アンタの好きなタイプをそれとなく教えてくれて、私とアンタをくっつけようとしたの


  茜は優しい、優しすぎる。
  あんな優しさ、利用されてもおかしくない。

  だから私は変わりたいの。
  茜の好きな人を奪った親友じゃなくて


  茜を守れる親友に。」









彼女の背中は少し震えていた。
ここで、俺は言葉をかけるべきなのだろうか。



手を伸ばすかためらっていると、







舞「ごめんね、アンタの大切な人を傷つけて。


  だから私を振ってください。そして、茜のところに行って…」
























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