病院には車も空いていた為10分程でついた。
受付で聞き、病室に駆けつけると、警察の人らしき人が数人立っていた。華音たちの姿を見つけると、一人の女性が近づいてくる。南川と言う警官だろう。
「来ていただきありがとうございます。先ほどお電話した南川です」
南川の挨拶など耳に入ってこなかった。
「カスミは・・・カスミはどうなんですか?」
南川に聞いても仕方ないと分かっているのに、華音たちは黙っていることなどできなかった。
南川は嫌な顔せず答えてくれる。
「今は何とも言えません。ただ・・・危険な状態です」
華音はとうとう泣きくずれた。
「何で・・・何で・・・カスミ・・・嫌だよ。目覚ましてよ」
その時カスミは不思議な経験をしていた。真っ白な世界を歩いているのだ。そしてそこからは華音が泣く姿も、さくらがそんな華音を支えながらも涙を我慢しているところも、武が必死に原付を走らせ病院に駆けつけようとしているところも、母が警察に捕まるところも・・・見えている。
カスミがただ見ていると、南川が華音たちに質問を始めた。
「カスミさんから・・・何か相談を受けたことはありませんか?」
南川の問いに華音たちは思い返していた。
いつも相談や愚痴を言うのは華音たちで、カスミから相談や愚痴を聞いた事はなかった。
「あまりないです・・・カスミはいつも聞いてくれるばかりで・・・」
また華音が泣き始める。さくらも下を向き涙を流し始めた。
(私の事で・・・そんな風に泣かないで・・・私は華音ちゃん達といられて幸せだったから・・・)
カスミまで泣きそうになる。
南川は華音たちを気遣いながらも続けた。
「そうですか・・・お二人にお聞きしたいんですが」
そこで言葉を切ると目が険しくなった。
「カスミさんの体の傷は気付いてましたか?」
華音たちは南川が何を言ったのか理解するまでに時間がかかった。
「カスミさんの体には・・・いくつもの傷がありました」
南川の顔が歪む。いくつもどころか、カスミの体は傷だらけだった。転んだくらいでできるような傷ではない事は誰が見ても分かるだろう。
受付で聞き、病室に駆けつけると、警察の人らしき人が数人立っていた。華音たちの姿を見つけると、一人の女性が近づいてくる。南川と言う警官だろう。
「来ていただきありがとうございます。先ほどお電話した南川です」
南川の挨拶など耳に入ってこなかった。
「カスミは・・・カスミはどうなんですか?」
南川に聞いても仕方ないと分かっているのに、華音たちは黙っていることなどできなかった。
南川は嫌な顔せず答えてくれる。
「今は何とも言えません。ただ・・・危険な状態です」
華音はとうとう泣きくずれた。
「何で・・・何で・・・カスミ・・・嫌だよ。目覚ましてよ」
その時カスミは不思議な経験をしていた。真っ白な世界を歩いているのだ。そしてそこからは華音が泣く姿も、さくらがそんな華音を支えながらも涙を我慢しているところも、武が必死に原付を走らせ病院に駆けつけようとしているところも、母が警察に捕まるところも・・・見えている。
カスミがただ見ていると、南川が華音たちに質問を始めた。
「カスミさんから・・・何か相談を受けたことはありませんか?」
南川の問いに華音たちは思い返していた。
いつも相談や愚痴を言うのは華音たちで、カスミから相談や愚痴を聞いた事はなかった。
「あまりないです・・・カスミはいつも聞いてくれるばかりで・・・」
また華音が泣き始める。さくらも下を向き涙を流し始めた。
(私の事で・・・そんな風に泣かないで・・・私は華音ちゃん達といられて幸せだったから・・・)
カスミまで泣きそうになる。
南川は華音たちを気遣いながらも続けた。
「そうですか・・・お二人にお聞きしたいんですが」
そこで言葉を切ると目が険しくなった。
「カスミさんの体の傷は気付いてましたか?」
華音たちは南川が何を言ったのか理解するまでに時間がかかった。
「カスミさんの体には・・・いくつもの傷がありました」
南川の顔が歪む。いくつもどころか、カスミの体は傷だらけだった。転んだくらいでできるような傷ではない事は誰が見ても分かるだろう。