子供好きだって言ってたし、「女の子が産まれたらピアノやバレエを習わしてやりたい。男だったら休日にキャッチボールなんかもいいよな」


なんて一緒に暮らす前にちらりと聞いた。


夢を語るにはあまりにも小さくて平和だが、俺はそんな当たり前のものも与えてやれない。


その気になれば養子とか代理母出産とかいくらでも手があるが、血の繋がった子供が欲しかったに違いない。


だからと言ってヒロを手放す気には到底なれないが、それでもそのことに関してはちょっと悪いと思っている。


「小さいとか言うな。それに今更何言ってんだよ」


ヒロが俺の腕の中で身じろぎして、ちょっとだけ上体を起こした。


苛立った様に眉間に皺を寄せている。


怒ったヒロも可愛いけど、綺麗な顔が台無しだぜ?


「俺が何考えてたのか分かったのか?以心伝心??」なんてふざけて言うと、


「お前心の声が口に出てたぜ」とヒロは呆れ顔。


口に…?気付かなかったぜ。


俺様としたことが…





「確かに俺は子供が好きだし、欲しかったけど、周が居なかったらどれも意味がないんだ。




俺は、お前が居ればそれでいい。





ずっと隣に居てくれればそれでいい―――」







ヒロが肘をついて俺を覗き込んできた。



そしてちょっと顔を赤らめると、俺の唇に口付けを落とした。


さらりと心地良よくて柔らかいヒロの唇。




ヒロ―――………