ふむ……
全くそそらんな。
俺にはヒロと結婚する前女の恋人も居た。どれも美人だったけど、ヒロには適わないな。
なんて思っていると、
「周、邪魔」とヒロのちょっと鬱陶しそうな声が聞こえ、ヒロは掃除機を引き寄せてきた。
「ああ、すまん」ソファから落ちていた俺の足をソファに上げて、ヒロは掃除機をかけていった。
きっちり掃除機を掛けると、ヒロは寝室に移動していこうとする。
その細い背中を何となく見送っていると、ヒロは床にゴミでも落ちていたのかちょっと屈んだ。
シャツが上にまくり上がって、ジーンズからきゅっとしまったウェストが覗いている。
ふむ。
俺はこっちの方がそそられるけどな。
ヒロってバカだよな~♪
こんな狼の俺様の前であんな無防備な姿さらけ出して。
食ってくださいって言ってるようなもんじゃないか♪
俺はヒロジを投げ出して、何も知らないヒロの背後に迫った。
ヒロが気配に察したのか慌てて振り向くも、もう遅い。
しかも目の前は寝室だ♪
俺が強引にヒロを寝室に追いやると、ヒロは
「何だよ!俺は掃除の途中なんだよ!お前はヒロジと遊んでろ!!」と喚いた。
「だってヒロジは喋らないし、あったかくないし、動かないし」
なんて当然のことを言って俺は背中からヒロをベッドに倒した。