「じゃ、行って来る。周は非番だっけ?」
朝7時20分15秒―――
ヒロは玄関に行って、靴を履く。
「ああ。今日はお前の日常観察日記をまとめることにする」
「また意味不明なことを…何だよ、観察日記って。まぁ突っ込む俺が間違ってるか」
なんてため息を吐いて出かけようとするヒロの背中を見て、こいつのケツを軽く撫でる。
「突っ込むのは俺の専売特許だ。お前は大人しく抱かれてろ♪」
ヒロがびっくりして振り返り、その5秒後にはパンチが飛んでくる。
俺はそれをあっさり受け止め、ついでにヒロを抱き寄せる。
こうして俺はヒロを抱きしめては、俺の愛用している香水がヒロに染みこめばいいと思っている。
マーキング…じゃないけど、これは俺のモノだ。そんなつもりで。
「行ってらっしゃいハニ~♪」
行ってらっしゃいの濃厚なチューをすると、ヒロは大人しくなる。
ホント。
可愛いヤツ♪
唇を離して、
「行って来ますダーリン♪のハグは?」と聞くと、
ヒロは形の良い眉をちょっと吊り上げて、俺を睨んでくる。
「言うまで離さないぜ?」ぎゅぅとヒロの体を抱きしめると、こいつはちょっと息苦しそうにもがいて、
それでも過ぎ行く時間には勝てないのか、
「……行って来ます。………ダーリン…」とぶすりと呟いた。
やっぱり不機嫌??
と思いきや―――ヒロは顔を赤くして、慌てて飛び出していった。
可愛いヒロの反応に
俺は胸キュン♪
時間は―――朝7時25分40秒。
日常が始まる。