周Side


** ある日の光景その① **



これは俺とヒロの日常を綴った愛♪のダイアリーだ。


アメリカで嫌がるヒロと無理やり結婚式を挙げ、それから一ヶ月。


まさにラブラブ新婚夫婦だって言うのに…





―――俺の妻(?)は大概不機嫌だ。





朝6時半―――俺は二人分の朝食を作り、コーヒーを淹れる。


そして時間を確認すると、ヒロが眠る寝室を覗きに行く。


俺の愛しい人―――桐ヶ谷 ヒロ(♂)は


可愛いくて無防備な寝顔でおねんね中だった。



「ヒロ。朝だぜ?起きろよ」


耳元でそっと囁くと、ヒロは僅かに身じろぎして、それでも布団をちょっと引き上げる。


起きる気ないな…こいつ……


ヒロは朝が弱い。目覚ましはセットしてあるものの、鳴りだしてから30分は起きだして来ない。


「ヒ~ロ」俺はヒロの隣にもぐりこむと、向こう側を向いているヒロを背中を後ろから抱きしめた。


「…ん~…」と小さく唸り声を上げて、うっすらと目を開けるものの、


「もうちょっと…」と幸せそうに口元を緩めるヒロ。


んーーー……いつ見ても欲情をそそる色っぽい…いや、可愛い寝顔だ。


ふむ。


少し考えて、俺はヒロの寝巻き代わりにしているTシャツの中に手を突っ込み、こいつの肌を直に触れた。


さらりとさわり心地が良くて、細いのに引き締まっている。


さわさわさわ……


あちこちをまさぐっていると、


ガバッ!


ヒロは勢い良く身を起こした。





「―――周!朝っぱらから変なとこ触るな―――!」






やっと起きた。


でも―――ほら、不機嫌。