「え!?」


「公平の奴、悠果里ちゃんに打ち合わせ段階から一目惚れしてたらしい。それで俺に言ってきた言葉がこうだ。『キスシーンを増やして欲しい。視聴率が絶対上がるから。』って俳優の特権利用してきやがった。笑」


「公平さんが?意外ですね。笑」


「悦郎さん聞こえてますよ。」


隣で目を覚ました公平が藤田のことを睨んでいた。


「おお!大スターさんのお目覚めか!笑 あっ、俺ちょっと撮影班と打ち合わせを。」


藤田は公平から上手いこと言って逃げた。


「おはようございます。」


「あ〜おはよう。笑」


「あの、私が悠果里さんとのこと聞いたこと気にしないど下さい。」


「そう言われると余計気にするんだよ俺。俺飲み物買ってくるんだけど何かいる?」


「じゃあ私も行きます。」


「いいよいいよ。そんな気をつかわなくても。笑」


「じゃあココアを。」


葵は申し訳なさそうに言った。


「かわいらしい物注文するね。笑」


「子供扱いしないで下さい!笑」


「いやっココア俺も好きだから。笑」


「じゃあ公平さんも子供です。笑」


「かもな。笑」


まだ眠そうな目をこすりながら去って行く公平を葵は複雑な気持ちで見つめていた。