「申し訳ありません。」


悠果里に変わって沙織里が頭を下げた。


「バレてしまったものは仕方ない。結婚しろ。」


「はあ!?」


聡のあまりにも唐突な提案に悠果里と沙織里は思わず声を上げてしまった。


「そんなに驚くなよ。笑」


「驚くわよ!何考えてるの?」


「何って..お前の幸せ。笑」


聡は少し照れくさそうにハニカミながら言った。


「茶化さないでよ!」


「相変わらず何でもお見通しだな。いっそのこと俺と結婚するか?」


聡は真面目な眼差しを悠果里に向けて言った。


「バ〜カ!誰が他の女優と浮気するような男と結婚するもんですか!」


「イライラするなよ。笑」


「あの社長、本当の狙いは?」


沙織里は二人の喧嘩に割って入った。


「まあ真面目に話すとイメージ維持のためかな。」


「つまり、マスコミにすっぱ抜かれる前に結婚させるということですか?」


「鋭い。そういうことだよ。お前ももう28だろ?結婚してもおかしくない。」


「そんなこと言われても、結婚なんて考えたこと..ちょっとはあるけど公平と話したことないし。」


おそらく沙織と聡はこの時『考えたことあるのかよ!』と心の中で叫んだ。