「どうして私が日本にいない間にあんなに騒ぎになってるの!?」


沙織里が運転する車に乗り込んだ悠果里はすかさず聞いた。


「社長から聞いた話では、ツイッターが発端らしわ。」


沙織里の話はこうだ。


悠果里と公平がデートしている時、たまたま一般人に二人だとバレてしまい、ツイッター上でつぶやかれてしまったことが原因でマスコミがそれに目をつけ、二人を追い回しているという訳だ。


「うっそ!今までバレなかったのに!?」


「私はバレないほうが奇跡だと思っていたわ。あんた達みたいなデカい二人いたら誰だって目をひくものなのにね。」


沙織里は冷静に答えた。


公平は身長が182センチ、悠果里は169センチもある。


確かに<デカい二人>だ。


「デカいって失礼な!スタイルがいいって言って頂戴よ!」


悠果里は憤慨して言った。


「とにかく今から事務所に行くわよ。」


「え〜!?日本に着いたばっかなのに?」


「誰のせいで社長に呼ばれてと思ってるのよ!?」


沙織里は後部座席の悠果里を思い切りにらんだ。


「は〜い。じゃあ事務所に着いたら起こしてね。」


不満気に返事をした悠果里は公平と同じように窓にもたれると目を閉じた。