「キスして俺に風邪うつす気?笑」


休もうとしない葵に公平は笑いながら冗談を言った。


言われた葵は熱と恥ずかしさで顔が真っ赤だ。


「それは...」


「ほら、今日は早く帰って明日に備えて。ね?」


公平は葵の目をまっすぐ見て言った。


さすがの葵も公平の説得に負けてしまい早退することに。


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「今日は早く帰れる〜!帰ったら即寝だな。」


残りの撮影を終えた公平は楽屋で上機嫌で着替えをしていた。


私服はジャージにパーカーというスターらしからぬ服装。


しかし公平が着れば格好よく見えるところが公平のスター性を象徴している。


「あっ!この後、雑誌の取材が...」


着替えを済ませて、帽子を目深にかぶりサングラスをかけた公平がルンルンで楽屋を後にした時、大介が気まずそうに言った。


「お前、早く言えよ!あーもう俺眠くて気絶するかも!ドリンク買ってきて。笑」


「わかりましたよ。じゃあ先に車に乗ってて下さい。」


大介はそう言って車の鍵をポケットから取出し、大介に渡した。