結果は大ヒット。


ちまたからは『ゴールデンカップル』などと言ってもてはやされた。


「公平が私の人生助けてくれたんだね...」


悠果里は当時のことを思い出し、ブラウン管の中の自分達に向かって呟いた。


『悠果里ちゃんが芝居を手抜きにしてないのは相手役の俺が一番わかってる。だから世間が言ってる事とか気にせず芝居をすればいい。』


公平の言葉で気持ちに余裕が出来たことを悠果里は今でもはっきり覚えていた。


気が付くと悠果里は上下スウェットにPコートを羽織り、帽子を目深にかぶって寒空の中、夜道を歩いていた。


もちろん目的地は公平の待つ公園。


途中、自販機で自分用のコーヒーとコーヒーが飲めない公平にはココアを買って公園を目指した。


公園に入ってすぐのところにあるブランコで公平は爆睡していた。


今にも地面に倒れこみそうな状態だ。


そんな公平に近付くと悠果里は買ったばかりの缶コーヒーを公平の頬っぺたにあてた。


「あっち!!」